2024年の3月末に廃止されることとなった介護療養型医療施設に代わる施設として、新設されたのが介護医療院だ。今後超高齢化社会を支えるべく誕生したこの施設は、今後の需要に向けて施設数も着実に増加している。それに伴い、介護医療院への転職を考える看護師もいるだろう。そこでここでは、病棟勤務と介護医療院の看護の仕事の違いについて語っていきたい。

病棟は医療を提供する場所であり、最終的に患者の疾患を治癒させて退院させることを目的としている。そんな中、病棟勤務の看護師は、入院治療計画書に沿って患者の治療や診察を円滑に進められるよう、医師と連携しながらさまざまな医療サポート行うことになる。

一方で介護医療院は、医療を必要とする高齢者の長期的療養を支える生活施設だ。看護師が医師と連携しながら利用者の医療サポートを行う点は病棟と共通しているが、最終的に看取り・ターミナルケアまで行うため、退院という目的は存在しない。そして、介護医療院には利用者の日常生活の場という側面もあるため、看護師は介護士・リハビリ専門スタッフなど連携を取りつつ、生活面でのサービスも提供することになる。

また、住居スペースが区切られていたり、個室タイプがあったりと住みよさを重視している施設もあるため、それに伴って利用者個人の尊厳とプライバシーに配慮したコミュニケーションを取る必要がある。それと同時に、食事介助、入浴介助のみならず、レクリエーションや買い物、散歩等の日常生活上のケアなどが含まれる点も大きな違いである。

介護医療院は、まさに患者の日常に密接に関わりつつ医療を提供したい看護師にとっては最適な職場といえる。そんな現場に興味があり、概要や業務の全容が気になっているなら、ぜひ介護医療院で働く看護師の情報に目を通しておくと良いだろう。